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通院や出産、家族の入院などで医療費がかさんだ年は、医療費控除を使って税金を取り戻したいところです。一方で、同じ年にふるさと納税もしている場合、「両方使えるの?」「限度額は変わる?」「ワンストップ特例はどうなる?」と疑問が出てきます。この記事では、国税庁や楽天ふるさと納税の公式情報をもとに、医療費控除とふるさと納税を併用するときの注意点を整理しました(2026年9月27日時点の情報です)。
結論:併用はできるが「確定申告」と「限度額」に注意
医療費控除とふるさと納税(寄附金控除)は、同じ年に両方受けることができます。ただし、次の2点に注意が必要です。
- 医療費控除を受けるには確定申告が必要なため、ワンストップ特例は使えなくなり、ふるさと納税の寄付分も確定申告に含める必要がある
- 医療費控除で所得が減る分、ふるさと納税の控除限度額(自己負担2,000円で済む寄付額の上限)が、医療費控除を受けない場合より下がる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
医療費控除の基本をおさらい
国税庁のタックスアンサー「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」によると、医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までに自分や生計を一にする家族のために支払った医療費が一定額を超える場合に受けられる所得控除です。控除額の計算は次のとおりです。
- (実際に支払った医療費の合計額 − 保険金などで補てんされる金額)− 10万円
- その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく「総所得金額等の5%」を差し引く
- 控除額の上限は200万円
なお、「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」という制度もあります。こちらはすべての市販薬が対象になるわけではなく、対象となるのは「特定一般用医薬品等」と呼ばれる一部の医薬品の購入費です。また、健康診断や予防接種を受けるなど、健康の保持増進や疾病予防のための一定の取組を行っていることも条件になります。通常の医療費控除とはどちらか一方を選んで適用する仕組みで、併用はできません。どちらが有利かは、その年の医療費や市販薬の購入額によって変わります。
注意点1:ワンストップ特例は使えなくなる
ふるさと納税のワンストップ特例制度は、「ほかに確定申告をする必要のない方」が使える制度です。医療費控除を受けるには確定申告が必要なので、医療費控除を受ける年はワンストップ特例の対象から外れます。
楽天ふるさと納税の公式ガイドでも、ワンストップ特例を申請したあとに、ほかに確定申告をする必要が生じた場合は確定申告を行うよう案内されています。その場合、確定申告が自動的に優先され、ワンストップ特例の申請分は無効になるため、あらためてすべての寄付分を確定申告に含める必要があります。「ワンストップ特例を出したから大丈夫」と思い込んで医療費控除だけを申告してしまうと、ふるさと納税の控除が受けられなくなるおそれがあるので注意しましょう。
確定申告では、医療費控除の明細書とあわせて、寄付先の自治体から届く寄附金受領証明書(または寄附金控除に関する証明書の電子データ)を使って、寄附金控除も申告します。確定申告の流れはふるさと納税で確定申告が必要なケース、書き方と注意点で、証明書については寄付金受領証明書とは?発行時期と紛失時の再発行方法で解説しています。
注意点2:ふるさと納税の控除限度額が下がる
ふるさと納税の控除限度額は、主に住民税の所得割額をもとに計算されます。医療費控除は課税所得を減らす「所得控除」なので、医療費控除を受けると住民税の所得割額も減り、その分ふるさと納税の控除限度額も下がる仕組みです。
楽天ふるさと納税の「控除限度額の目安」ページでも、目安表の金額は住宅ローン控除や医療費控除などほかの控除を受けていない給与所得者の場合であり、医療費控除などを受けている人の限度額は表とは異なると注意書きがあります。例年と同じ感覚で寄付をすると、限度額を超えてしまい、自己負担が2,000円より増える可能性があるため、医療費控除を受ける年は少し余裕をもって寄付額を決めるのが安心です。
とはいえ、医療費控除を受けたからといって、ふるさと納税そのものが損になるわけではありません。控除限度額の範囲内であれば、自己負担2,000円で寄付金控除を受けられる点は変わりません。限度額の考え方はふるさと納税の控除上限額、年収・家族構成別の目安とシミュレーターの使い方、限度額を使い切るべきかどうかはふるさと納税は限度額を使い切るべき?無理に上限まで寄付するリスクと考え方もあわせて参考にしてください。
限度額を確認するときのコツ
シミュレーターは「詳細版」で医療費控除を入力する
各ふるさと納税サイトの控除限度額シミュレーターには、年収と家族構成だけで目安を出す簡易版のほかに、各種控除額を入力できる詳細版が用意されていることがあります。医療費控除を受ける予定がある年は、医療費控除の見込み額を入力できるシミュレーターを使うと、より実態に近い目安がわかります。
医療費は年末まで確定しないので寄付は余裕をもって
医療費控除の対象になる医療費は、12月31日までに支払った分で決まります。年の途中では医療費の総額が見えにくいため、限度額ぎりぎりまで寄付するのではなく、見込みより少し控えめな金額にしておくと、想定より医療費が増えた場合でも自己負担が増えにくくなります。
住宅ローン控除など他の控除とも重なる場合
住宅ローン控除の1年目も確定申告が必要になるため、医療費控除と同じくワンストップ特例は使えません。複数の控除が重なる年は、限度額の計算も複雑になります。住宅ローン控除との関係は住宅ローン控除1年目とふるさと納税の併用、限度額はどう変わる?で解説しています。
医療費控除を受ける年のチェックリスト
- 1年間の医療費の領収書・医療費通知を保管し、合計額を把握する
- 医療費控除の見込み額を入れて、ふるさと納税の控除限度額を試算する
- ワンストップ特例を申請済みでも、ふるさと納税の寄付分を確定申告に含める
- 寄付先すべての寄附金受領証明書(または電子データの証明書)をそろえる
- セルフメディケーション税制と通常の医療費控除、どちらを使うか決めておく
まとめ
医療費控除とふるさと納税は併用できますが、医療費控除を受ける年は確定申告が必要になるため、ワンストップ特例は使えず、ふるさと納税の寄付分もすべて確定申告に含める必要があります。また、医療費控除で所得が減る分、ふるさと納税の控除限度額は下がるので、例年より余裕をもった寄付額にしておくと安心です。制度の細かな条件は変わることもあるため、最新情報は国税庁や各ふるさと納税サイトの公式ページで確認してください。



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