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ふるさと納税の控除限度額は、実は「前年の所得」ではなく「寄付するその年(1月~12月)の所得」で決まります。そのため、転職や退職、育休などで年収が例年と変わる年は、いつも通りの感覚で寄付すると、限度額を超えて自己負担が増えてしまうことがあります。この記事では、年収が変動しやすい3つのケース別に、限度額を考えるときの注意点を整理しました。
まず前提:控除限度額は「その年の所得」で決まる
ふるさと納税の控除限度額シミュレーターの多くは、前年の源泉徴収票の数字を入力して計算します。しかし本来の限度額は、寄付した年の所得税・住民税をもとに算出されるものです。年収が安定している方であれば前年の数字を使っても大きなズレは出ませんが、年収が変わる年はこの前提が崩れるため、より慎重な見積もりが必要になります。
転職で年収が変わった年
転職によって年収が上がった場合、その分限度額も上がる可能性がありますが、実際の年収が確定するのは年末に近い時期になることがほとんどです。年初や転職直後の時点で「今年はこれくらい稼げそうだから」と強気に寄付してしまうと、想定より年収が伸びなかった場合に超過してしまうリスクがあります。反対に年収が下がった場合は限度額も下がるため、前職の年収を基準にシミュレーションした金額のまま寄付を続けると、こちらも超過の原因になります。
退職した年、退職金を受け取った年
年の途中で退職し、その後しばらく無職の期間がある場合、給与所得が減るため限度額も下がります。まとまった収入があった前半だけを見て多めに寄付してしまうと、年間を通じた所得ベースでは超過してしまうことがあるので注意が必要です。一方で「退職金をもらったから限度額が増えるのでは」と考える方もいますが、退職金は給与所得とは別に分離課税されるのが原則で、ふるさと納税の限度額計算のベースになる所得には基本的に含まれません。退職金を受け取ったからといって、寄付できる金額が大きく増えるわけではない点は覚えておきましょう。
育休を取得した年
育休中に受け取る育児休業給付金や産休中の出産手当金は非課税所得のため、ふるさと納税の限度額計算に使う所得には一切含まれません。給付金を含めた「手取りの感覚」で限度額を見積もると、実際の課税所得よりも大きく見積もってしまい、寄付しすぎて自己負担が増える原因になります。育休中は、給与収入から給付金などの非課税分を除いたうえで、社会保険料や各種控除を差し引いた課税所得をベースに考える必要があります。
ワンストップ特例との関係にも注意
もう一つ見落としがちなのが、ワンストップ特例制度との関係です。ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者などが対象の仕組みですが、転職や退職の状況によっては年末に確定申告が必要になるケースがあります。この場合、すでにワンストップ特例の申請書を提出していても、確定申告をすると申請はすべて無効になります。ふるさと納税の控除を受けるには、確定申告の際にあらためて寄付金控除として申告し直す必要があるため、申請したから安心と思い込まないようにしましょう。
年収が変わる年の安全な進め方
年収が読みにくい年は、限度額シミュレーターの結果をそのまま使い切るのではなく、算出された金額の8~9割程度にとどめておくのが無難です。特に年の前半は所得が確定していないため、寄付は少なめに抑え、年収の見通しが立ちやすくなる11月~12月にかけて残りの枠を使う、という進め方にすると超過のリスクを抑えられます。限度額を超えた分にも一部の控除はありますが、限度額の範囲内で寄付した場合と比べて自己負担額が大きくなります。罰則があるわけではありませんが、お得に活用したいのであれば慎重な見積もりを心がけましょう。
直近の給与明細や源泉徴収票で見込みを確認する
年の途中で見込み年収を把握したいときは、直近の給与明細に記載されている支給額や社会保険料の控除額を確認し、それを残りの月数分に当てはめて年間の見込み額を計算する方法が現実的です。転職した場合は前職・現職それぞれの源泉徴収票を合算する必要があるため、年末調整や確定申告の時期になって慌てないよう、転職時にもらった源泉徴収票は大切に保管しておきましょう。給与明細や源泉徴収票の見方に不安がある場合は、勤務先の経理担当者や税理士に相談するのも一つの方法です。
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まとめ
転職・退職・育休などで年収が変わる年は、控除限度額の基準となる「その年の所得」が例年と異なるため、いつも通りのシミュレーション結果を鵜呑みにしないことが大切です。育児休業給付金は非課税所得として限度額計算に含まれない、退職金は原則として限度額に影響しないといった細かいルールを踏まえたうえで、寄付は控えめに、年末にかけて調整していくのが安全な進め方です。
収入が不安定な時期こそ、家計全体の見直しをするよい機会でもあります。ふるさと納税の限度額だけでなく、日々の支払いに使うカードや固定費についても、この機会に一度点検してみるのがおすすめです。



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