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ふるさと納税の解説は会社員(給与所得者)を前提にしたものが多く、個人事業主や年金受給者の場合はどう考えればいいのか分かりにくいと感じたことはないでしょうか。所得の算出方法や手続きの面で、会社員とはいくつか違いがあります。
個人事業主は「事業所得」ベースで限度額が決まる
会社員の限度額は「給与収入-給与所得控除」で算出される給与所得をベースに計算されますが、個人事業主の場合は「売上-必要経費」で算出される事業所得がベースになります。同じ「年間の稼ぎ」でも所得の出方が異なるため、給与年収の入力を前提にした簡易シミュレーターでは正確な限度額が出ません。確定申告書や青色申告決算書に記載される「所得金額」を使って計算できるタイプのシミュレーターを選ぶか、税理士や税務署に相談して算出するのが安全です。
個人事業主はワンストップ特例が使えない
個人事業主は、ふるさと納税の有無にかかわらずもともと確定申告が必要な立場のため、ワンストップ特例制度の対象外です。ワンストップ特例はあくまで「確定申告が不要な給与所得者等」向けの仕組みだからです。したがって個人事業主がふるさと納税の控除を受けるには、毎年の確定申告で寄付金控除を必ず申告する必要があります。とはいえ確定申告書に寄付金控除の欄を追記するだけなので、事務的な負担はそれほど大きくありません。
年金受給者は「公的年金等控除」を踏まえて考える
公的年金は税制上「雑所得」として扱われ、収入からは公的年金等控除が差し引かれた金額が所得になります。年金受給者の限度額を考える際は、この控除後の所得金額をベースに計算する必要があるため、こちらも給与年収前提のシミュレーターでは正確に出ません。年金の源泉徴収票に記載されている所得金額を確認したうえで、年金受給者向けの計算方法に対応したシミュレーターを使うようにしましょう。
年金受給者はワンストップ特例が使える場合がある
個人事業主と違い、年金受給者は条件を満たせばワンストップ特例制度を利用できます。具体的には、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ年金以外の所得が20万円以下であるなど、所得税の確定申告が原則不要とされる制度の対象者であることが条件です。加えて、寄付先が5自治体以内であることなど、通常のワンストップ特例の条件も満たす必要があります。医療費控除など他の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例の申請をしていても無効になり、確定申告の中でふるさと納税分もあわせて申告し直す必要がある点は会社員と同じです。
青色申告特別控除も所得額に影響する
個人事業主で青色申告をしている場合、最大65万円の青色申告特別控除を受けられますが、この控除は事業所得を計算する際に差し引かれるため、ふるさと納税の限度額計算のベースになる所得もその分小さくなります。白色申告と青色申告では最終的な所得金額が変わってくるため、限度額シミュレーションは、確定申告の直前や決算後など、所得金額がほぼ固まったタイミングで行うと精度が上がります。年の途中で見積もる場合は、青色申告特別控除を差し引いたあとの所得を基準に計算しましょう。
会社員と共通して気をつけたいこと
個人事業主・年金受給者のどちらの場合も、その年の所得が確定するのは年末に近い時期になりがちです。特に個人事業主は売上の波が大きい場合もあるため、年の前半に強気に寄付をしてしまうと、後から所得が下振れして限度額を超えてしまうリスクがあります。所得の見通しが立ちやすくなってから寄付するか、控えめな金額から始めて年末にかけて調整していく進め方がおすすめです。
収入が不安定な個人事業主は特に慎重に
個人事業主は会社員と違い、月々の収入額が一定でないことも多く、年間の所得が確定するのは決算・確定申告の準備をする時期になってからというケースが少なくありません。売上が好調だった月の勢いで多めに寄付してしまうと、経費計上や控除の結果、最終的な所得が想定より小さくなり、限度額を超えてしまうことがあります。特に開業したばかりで所得の見通しが立てにくい方は、限度額シミュレーターの結果よりもさらに控えめな金額から始めるのが無難です。
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まとめ
個人事業主は事業所得ベースで限度額を計算し、ワンストップ特例は使えず必ず確定申告が必要です。年金受給者は公的年金等控除後の所得がベースになり、条件を満たせばワンストップ特例も利用できます。どちらも会社員向けの簡易シミュレーターをそのまま使うと不正確になりやすいため、自分の所得区分に合った計算方法を確認しておきましょう。



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